調査
「開業医の経営・働き方に関する実態調査」
実施時期/2023年3月24日(金)~11月30日(木)
調査方法/インターネットでのパネル調査
パネル調査委託先/医師専用コミュニティサイト「MedPeer」
調査対象/全国の30~90代の医科の開業医351人
目次
1.開業医“人物”実態調査
- Q1.開業医の労働時間とは?
- Q2.開業医の睡眠時間とは?
- Q3.開業医の休日とは?
- Q4.開業医のやりがいとは?
- Q5.開業医の学びとは?
- Q6.開業医の「新薬」の情報収集とは?
- Q7.開業医のシステム導入率は?
- Q8・9.開業医の広告活用状況とは?
- 編集部“開業医考察”column1/過酷さもある開業医の労働環境。“患者への思い”が原動力に
2.開業医“悩み”実態調査
- Q10.開業医の悩みとは?
- Q11.開業医の世代別「経営」の悩みとは?
- Q12.開業医と患者のコミュニケーションの課題とは?
- Q13.開業医のスタッフ採用方法は?
- Q14.開業医の採用課題とは?
- Q15.開業前に知りたかったことは?
- Q16.開業医が行っているスタッフ定着の工夫とは?
- Q17.開業医は人事評価制度を導入しているか?
- Q18.開業医のスタッフマネジメントの課題とは?
- Q19.開業医が患者と接した際に嫌な思いをした経験は?
- Q20.開業医の「経営」相談相手は?
- 編集部“開業医考察”column2/開業医の悩みの種は“スタッフ”。価値観の多様化が進む今、仕事観へのアプローチが必要
3.“開業するということ”実態調査
- Q21.開業医の満足感とは?
- Q22. 開業医の不満足感とは?
- Q23.開業した動機とは?
- Q24.開業の準備期間は?
- Q25.開業医の引退時期とは?
- Q26.開業医の承継とは?
- 編集部“開業医考察”column3/医療人であり経営者である開業医。旧来からの体制変更の必要性が高まる
調査データピックアップ
これまで、クリニック「だけ」を対象とした多面的な調査はほとんど存在しませんでした。そんな中で生まれたのが、「開業医白書」です。経営の悩みや働き方、やりがいなどさまざまな角度から、定量的・定性的な調査、分析によって、開業医の実態に迫ります。
その第一回となる「開業医白書2023」。ここではその中から、その気になる中身をいくつかピックアップしてご紹介します。
開業医の悩みとは?最も多い悩みは「スタッフ採用」と回答
日本全体で、どの業界でも人材不足が深刻な問題になっている中、開業医の悩みも「スタッフ採用」が67.5%と最多の結果となりました。そのほか、スタッフ(人材)マネジメント44.7%、スタッフとのコミュニケーション30.8%という数字を見ても、開業医は常に「人」で悩んでいることがわかります。
また雇用人数別に見てみると、従業員数が多いクリニックほどスタッフとのコミュニケーションに課題があり、「人」の悩みが多いという実態が浮き彫りになりました。

開業医の「経営」相談相手は?「いない」と答えた開業医が53%と過半数
医師であり経営者でもある開業医。悩みが多いクリニックの経営において、心を許して相談できる存在は重要です。
しかしアンケートの結果では、経営相談できる相手は「いない」が53.0%と半分以上を占めました。さらに、「いる」と回答した開業医の相談相手を見てみると、専門家や同業の開業医ではなく、「家族」との回答が69.1%と実に7割に上る結果となっています。
開業医は信頼できる相談相手を見つけにくく、経営の不安や課題を解決する答えがなかなか得られない環境にあることが明らかとなりました。


理想とする医療の実現には、医療DXの推進や専門家のサポートが必要
開業医とは診療だけではなく、経営者としてやるべきことは多岐にわたります。
そんな開業医を志した理由には、「やりがい」や「キャリアを求めて」といった前向きな考えが調査結果の上位に上がり、実際、開業して良かったと思うかという問いに対しては「良かった」という回答が86.6%と大多数を占めました。ほとんどの開業医が「開業して良かった」と回答し、開業医という仕事に満足していることが明らかになりました。
一方で、「開業して良かったと思わない」と回答した人は少数ですが、不満に思っているポイントを振り返ると、トップは「心身への負担」で51.1%という結果に。医療人の立場と経営者の立場、どちらをも要求される開業医は負担も大きいことが推測されます。
今後、開業医が心身の負担を減らして、志を実現し、理想の医療を提供するためには、大胆な医療DXの推進や、信頼のおける経営の専門家によるサポートなど、さまざまな改革が不可欠といえるでしょう。


