医療現場のコミュニケーションの重要性|開業医が今すぐ取り組むべき対策

医療現場のコミュニケーションの重要性|開業医が今すぐ取り組むべき対策

医療現場を円滑に回す上で、コミュニケーションは非常に大切です。「スタッフと意思疎通がうまくいかない」「患者との対話に手応えがない」、そんな場面に心当たりのある方も多いのではないでしょうか。

本記事では、医療現場におけるコミュニケーションの重要性を「医師とスタッフ」「医師と患者」の観点から整理し、開業医がすぐに取り組める対策や実践手順を紹介 します。

この記事を読めば、スタッフとの信頼関係と患者満足度を高めるためのヒントが得られます。すでに実践されている方も多いかと思いますが、改めて見直すきっかけとして、参考にしてみてください。

この記事でわかること

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医療現場で開業医の20%以上がスタッフとのコミュニケーションに悩んでいる

「開業医白書2025」(※)によると、開業医の21.6%が「スタッフとのコミュニケーション」に悩んでいることが明らかになっています。多くの開業医が悩んでいるポイントは以下のとおりです。

  • 指示がうまく伝わらず、業務に支障が出る
  • 雰囲気が悪くなり、スタッフがすぐに辞めてしまう
  • 面談や評価の場で、どう接すればいいのかからない

医療現場では、院長である医師が診療や経営の中心に立ちながらも、スタッフ一人ひとりと十分に対話する時間を確保するのは容易ではありません。

しかし、コミュニケーション不足は離職や医療ミス、サービス品質の低下などにつながるリスクがあり、結果として経営全体に影響を及ぼす可能性があります。

そのため、医師自身が「伝える力」と「聞く力」の両面から職場の信頼関係を再構築し、円滑な情報共有を促す仕組みづくりに取り組むことが求められます。

※出典:クリニック未来ラボ「開業医白書2025」

医療現場で患者の70%以上が医師とのコミュニケーションに悩んだ経験がある

医療情報ポータルサイト「ドクターズ・ファイル」の患者調査(※)によると、患者の70%以上が「医師とのコミュニケーションに悩んだ経験がある」と回答しています。

主な悩みとして挙げられたのは、「説明が不十分」「質問がしづらい」といった内容でした。こうしたすれ違いは、患者が自身の症状を正確に伝えられないまま診察が終わってしまう原因にもなり得ます。

また、医師側も患者とのコミュニケーションで下記の悩みを抱えている方が多いです。

  • 言葉がうまく伝わっていない気がする
  • 誤解が生じて、悪い口コミにつながってしまう
  • 説明しても、納得してもらえないことが多い

医師にとって、限られた診療時間の中で効率良く診断を進めることは重要です。しかし、患者にとっては「理解できた」「納得できた」ことが安心感につながります。

診療効率と患者満足度を両立させるためには、医師が患者の言葉を引き出し、共感を示す姿勢が求められます。すなわち、医師自身が主体となってコミュニケーションの質を高めることが、診療の信頼性と継続性を支える大きな鍵となります。

※出典:ドクターズ・ファイル「患者のクリニック選びに関する調査」。対象は、全国主要都市に住む、もしくは勤務する20~59歳の男女4000人。2020年7月にインターネット調査にて実施。

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医療現場におけるコミュニケーションとは

医療現場におけるコミュニケーションとは、医師・看護師・スタッフ・患者が相互に理解を深めながら医療を進めるための基盤です。

ここでは、以下の3つについて詳しく解説します。

  • コミュニケーションの定義とは
  • 医療現場でのコミュニケーションの重要性
  • 厚生労働省の安全な医療を届けるための10の要点

それぞれ見ていきましょう。

コミュニケーションの定義とは

医療におけるコミュニケーションとは、情報を伝えるだけでなく、相手の意図や感情をくみ取りながら相互理解を図る行為を指します。

医師の場合、診療時の言葉選びや表情、態度などが患者の信頼形成に直結します。医療現場では、正確な情報伝達だけでなく、相手の立場を尊重する姿勢も欠かせません。また、スタッフ間においても、伝達ミスを防ぐための明確で一貫した意思疎通をすることが重要です。

つまり、コミュニケーションは情報の共有と感情の共有の両方で成り立つものとして捉える必要があります。

医療現場でのコミュニケーションの重要性

医療現場では、円滑なコミュニケーションが診療の安全性と患者の満足度を左右します。医師が患者と誤解なく意思疎通できれば、診断精度や治療への納得度が高まり、信頼関係の構築につながります。

さらに、チーム医療においては、医師・看護師・事務スタッフ間での情報共有がミス防止に直結します。反対に、情報伝達のずれが起これば、誤診や医療事故のリスクが高まります。

医師としては、コミュニケーションを単なるソフトスキルではなく、診療技術の一部として位置づけ、日常的に意識することが不可欠です。

厚生労働省の安全な医療を届けるための10の要点

厚生労働省は「安全な医療を届けるための10の要点」を掲げ、その中で医療従事者間および患者とのコミュニケーションを重視しています。

厚生労働省が掲げる安全な医療を届けるための10の要点を以下にまとめました。

  1. 安全文化
  2. 対話と患者参加
  3. 問題解決型アプローチ
  4. 規則と手順
  5. 職員間のコミュニケーション
  6. 危険の予測と合理的な確認
  7. 自己の健康管理
  8. 技術の活用と工夫
  9. 与薬
  10. 環境整備

これらはすべて、コミュニケーションを軸に医療の安全性を確保する取り組みです。医師として、日々の診療の中でこれらの要点を実践することが、事故防止と信頼構築の両立につながります。

出典:厚生労働省医政局「安全な医療を提供するための10の要点」

医療現場におけるコミュニケーションエラーがもたらすリスク

医療現場でのコミュニケーションエラーは、患者対応・服薬指導・チーム医療のいずれにも深刻な影響を及ぼします。

医療現場におけるコミュニケーションエラーがもたらすリスクは主に以下の3つです。

  • 【対患者】患者が何回も同じ説明を求めてくる
  • 【対患者】処方ミスや「聞いていない」といったクレームなどのトラブル
  • 【対スタッフ】スタッフとの認識のずれ

1つずつ解説します。

【対患者】患者が何回も同じ説明を求めてくる

患者が同じ説明を複数回求めてくる背景には、医師の説明が難解である場合や、患者が内容を十分に理解できていない場合が少なくありません。

専門用語の多用や一方的な説明は、患者の理解を妨げる原因となり、結果として「説明がなかった」といった不満につながります。患者に対しては、理解度を確認しながら説明を行い、要点を繰り返し伝えることが重要です。

【対患者】処方ミスや「聞いていない」といったクレームなどのトラブル

処方におけるコミュニケーション不足は、患者の既往歴や併用薬を十分に確認せずに禁忌薬を処方してしまうケースや、用量設定の誤りによる副作用トラブルを引き起こすリスクがあります。

医師やスタッフの説明内容が統一されていなかったり、患者への伝達が不十分だったりすると、「聞いていない」「指示と違う」といったクレームにつながります。

こうしたリスクを防ぐためには、電子カルテや服薬指導記録システムを活用して情報を一元管理し、医療従事者間で共有することが効果的です。

さらに、患者への説明時には確認のプロセスを設け、「理解しているか」を丁寧に確認することでトラブルを防止できます。

もっとも、こうした取り組みは1つの有効な方法ではあるものの、実際には紙カルテや口頭での伝達が中心のクリニックも多く、情報共有の仕組みづくりには現場ごとの工夫が求められます。

【対スタッフ】スタッフとの認識のずれ

医師とスタッフの間で認識のずれが生じると、指示の誤解や業務の重複、対応遅れといった問題が起こりやすくなります。

特に、忙しい診療時間帯では、口頭での伝達が中心になるため、指示の漏れや曖昧な表現がトラブルの原因となることも少なくありません。スタッフに対しては、業務内容や優先順位を明確に共有し、口頭だけでなくカルテや共有メモへの記録を徹底するなど、現場に即した工夫が必要です。

また、定期的なミーティングを通じて互いの認識を確認することで、チームとしての一体感を高め、医療の質の向上にもつながっていくでしょう。

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医療現場におけるコミュニケーションエラーの事例

医療現場におけるコミュニケーションエラーは、重大な事故を引き起こす可能性があります。

以下に紹介するのは、コミュニケーションエラーが要因となり、1999年に発生し、社会問題として大きく報道された医療事故の例です。この事故は、医療安全の制度化が進むきっかけにもなったため、ご存じの方も多いのではないでしょうか。

発生時期
1999年
事例の要因
患者の取り違え(情報伝達の不備・確認不足・思い込み)
事例の概要
肺の一部切除を受ける予定だった患者Aに心臓の手術が行われ、逆に心臓の弁の手術を受けるはずだった患者Bに肺の一部切除が行われた

今では医療現場の体制や教育が進んでいますが、こうしたコミュニケーションエラーは依然として医療インシデントの主因です。

この患者の取り違えはクリニックではなく大学病院での事例ですが、記録の徹底や口頭確認の重要性など、開業医にとっても共通する教訓があります。情報伝達の「抜け漏れ」を防ぐためには、スタッフ全員が共有意識を持つ体制づくりが欠かせません。

出典:日本産婦人科医会「No108 裁判事例から学ぶ」の「コミュニケーションエラー」

医療現場でのコミュニケーションで重要な心理的安全性とは

医療現場でのコミュニケーションで重要な心理的安全性とは

心理的安全性とは、職場などの組織やチームの中で自分の意見を自由に発言でき、ミスや疑問を共有しても非難されない環境を指します。医療現場では、スタッフが「誤りを報告すると責められる」と感じる状態が続くと、情報が隠され、重大な医療事故につながる恐れがあります。

スタッフに対しては、上司である医師が率先して意見を受け止め、誰もが安心して発言できる雰囲気をつくることが重要です。

心理的安全性が高い職場では、報告・相談・提案が活発になり、結果としてチームの信頼関係が強化され、医療の質と安全性が向上します。医師自身がこの文化を育てる姿勢を持つことが、組織の安定と患者の満足度の向上の両立につながります。

スタッフとの医療現場でのコミュニケーション問題の解消方法

スタッフとの医療現場でのコミュニケーション問題の解消方法

医療現場では、立場や専門性の異なるスタッフが協働するため、認識のずれや伝達ミスが生じやすいです。

スタッフとの医療現場でのコミュニケーション問題の解消方法は主に以下の3つです。

  • 職場や立場の違いに配慮してコミュニケーションを
  • リーダーシップとチームビルディングの向上
  • 正確かつ迅速な情報共有

1つずつ解説します。

職場や立場の違いに配慮してコミュニケーションを取る

医療チームには、医師・看護師・事務スタッフをはじめ、薬剤師や検査技師、リハビリスタッフなど、多様な職種と立場の人が関わっています。

チーム医療が浸透する今、職種ごとの専門知識や役割の違いを尊重し、相手の立場を理解した上で対話する姿勢が重要です。たとえば、看護師には患者ケアの現場視点を、事務スタッフには運営面の事情を踏まえて指示を伝えることで、誤解や摩擦を防げます。

医師が上位の立場であっても、一方的な指示ではなく、意見を聞き入れる姿勢を持つことが、信頼関係を築く第一歩となります。

リーダーシップとチームビルディングの向上

医師が中心となる医療チームでは、明確なリーダーシップと協働意識の育みが欠かせません。スタッフに対しては、業務方針や判断基準を共有し、チーム全体が同じ方向を向くよう導くことが求められます。

トップダウン型ではなく、メンバーの意見を尊重する共創型リーダーシップを意識することで、スタッフが主体的に動きやすくなります。

また、定期的なミーティングや振り返りの場を設けることで、互いの役割の理解が深まり、協力体制が強化されるでしょう。

こうした積み重ねが、チームとしての信頼関係や一体感を育てる土台となり、自然とチームビルディングにつながっていきます。

正確かつ迅速な情報共有

医療現場では、わずかな情報の遅れや誤伝達が患者対応に影響する可能性があります。たとえば、電話対応時の引き継ぎやカルテ記載の齟齬など、現場では小さな食い違いが診療の質を左右します。

そのため、口頭連絡だけでなく、カルテや共有メモ、業務用のチャットツールなどを活用して明文化することが重要です。ホワイトボードや申し送りノートを活用し、スタッフ間の情報を「見える化」している診療所もあります。

特に、複数のスタッフが関与する診療や引き継ぎでは、「誰が・いつ・どのように」情報を伝えるかを明確にしなければなりません。迅速で正確な情報共有は、スタッフ間の信頼を高めるだけでなく、医療事故を防止するためにも欠かせません。

医師が率先して情報共有の基盤を整えることが、安全な医療提供の礎となります。

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医療現場で重要性の高いコミュニケーションスキル

医療現場で重要性の高いコミュニケーションスキル

医療現場では、正確な情報伝達と信頼関係の構築が診療の質を左右します。医師は、患者・スタッフの双方に対して、傾聴・説明・共感・非言語的表現など多面的なコミュニケーションスキルを身につけることが求められます。

医療現場で重要性の高いコミュニケーションスキルは以下の4つです。

  • アクティブリスニング
  • 大切な情報を的確に伝える能力
  • エンパシー
  • 非言語コミュニケーション

それぞれ紹介します。

アクティブリスニング

アクティブリスニング(積極的傾聴)とは、相手の言葉をただ聞くだけでなく、その背景や感情を理解しようと意識する姿勢を指します。

患者に対しては、症状の訴えに込められた不安を受け止め、共感を示すことが信頼につながるでしょう。

スタッフに対しては、意見や報告を遮らずに聴くことで、情報の漏れを防ぎ、協力的なチームづくりに貢献します。

大切な情報を的確に伝える能力

医療現場では、複雑な内容を簡潔かつ正確に伝えるスキルが不可欠です。患者に対しては、専門用語を避け、わかりやすい言葉で説明することで理解を深められます。

スタッフに対しては、報告や指示を明確に伝え、伝達経路を統一することが重要です。情報の伝え方を意識することで、誤解やミスを防ぎ、安全で効率的な診療体制を維持できます。

エンパシー

エンパシー(共感力)は、相手の立場や感情を理解し、寄り添う姿勢を示すことを意味します。患者に対しては、不安や痛みへの理解を示すことで、治療への信頼を深められます。

スタッフに対しても、忙しさやストレスへの共感を持つことで、チーム内の心理的安全性が高まり、協働が円滑になるでしょう。医師自身が共感を示すことで、職場全体の雰囲気も安定します。

非言語コミュニケーション

非言語コミュニケーションとは、言葉以外の表情・姿勢・声のトーンなどを通して意思を伝える行為です。患者に対しては、穏やかな表情や視線、落ち着いた声かけが安心感を与えます。

診察時に、目を見て話す・笑顔であいさつする・急な動作を避けるなどといった所作が、信頼につながります。

スタッフに対しては、態度や姿勢が信頼関係を左右します。報告を受ける際にうなずいて耳を傾ける・忙しいときでも落ち着いた態度で接する・感謝の気持ちを表情や声に込めて伝えるなど、日々の振る舞いが職場の雰囲気をつくります。

医師が常に誠実で安定した非言語的メッセージを発することで、患者・スタッフの双方に安心と信頼をもたらすでしょう。

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医療現場でのコミュニケーション力を向上させる方法

医療現場では、患者やスタッフとの信頼関係を築くために、院長である医師自身のコミュニケーション力を継続的に磨くことが欠かせません。

医療現場でのコミュニケーション力を向上させる方法は以下の2つです。

  • 研修やコミュニケーションツールを活用する
  • 定期的なフィードバックと自身の振り返りをする

それぞれ解説します。

研修やコミュニケーションツールを活用する

コミュニケーション力を向上させることを目的に、クリニックでも、職員向けにコミュニケーション研修や接遇研修を取り入れているところがあります。

職員だけでなく、院長も参加することで、研修の内容が現場に浸透しやすくなり、スタッフの意識向上にもつながります。可能であれば、院長も一緒に参加することを検討するとよいでしょう。

また、電子カルテや院内チャットなどのコミュニケーションツールを効率的に活用することで、情報共有のスピードと正確性を高めることが可能です。これにより、チーム全体の連携力が向上し、医療ミスの防止にもつながります。

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定期的なフィードバックと自身の振り返りをする

医師としてコミュニケーション力を高めるには、他者からの客観的な意見を受け入れる姿勢を取り、自己省察を継続することが重要です。

患者からは、患者アンケート(ウェブ・紙)やSNSなどの口コミ・意見箱・問い合わせなどを通じてフィードバックを収集します。

一方で、スタッフが院長に対してフィードバックをするのはハードルが高いため、院長がスタッフからの意見を受け入れる姿勢を見せることが大切です。

スタッフには、「さっきの説明どうだった?」「もっと良い伝え方あったかな?」といった軽い問いかけを日常的に行い、フィードバックを収集しましょう。

さらに、診療後に自らの説明や対応を振り返る習慣を持つことで、改善点を明確にし、より効果的な対話をすることが可能となります。これらの積み重ねが、信頼される医師としての成長につながるでしょう。

医療現場でのコミュニケーションの注意点

医療現場では、医師が患者・スタッフ双方に対して適切に情報を伝えることが不可欠です。

医療現場でのコミュニケーションの注意点を、以下の2つの観点から解説します。

  • 医師患者に対する注意点
  • 医師スタッフに対する注意点

それぞれ見ていきましょう。

医師の患者に対する注意点

患者とのコミュニケーションでは、医師が専門知識を押しつけるのではなく、患者が理解・納得できる形で説明することが大切です。

医師の患者に対する注意点は以下の3つです。

  • 医療用語はかりやすく説明する
  • 説明は本やパンフレットを使う
  • 対等な立場で話す

1つずつ解説します。

医療用語はわかりやすく説明する

普段から患者にかみ砕いて話すよう意識していても、診療に集中するあまり、つい専門用語が出てしまうことはないでしょうか。

診療時に使う医療用語は、専門的すぎると患者にとってわかりにくいものです。医師は、難解な言葉をわかりやすい表現に置き換えたり、図や例えを交えて説明したりするなど、工夫することが大切です。

また、患者の理解度を確認しながら説明することで、患者の不安を軽減できます。

説明は本やパンフレットを使う

診療時の口頭説明だけでは、患者に十分に伝わらないケースも少なくありません。そのため、医師は書面やパンフレットなどを用いて視覚的に情報を補足することが有効です。

患者が自宅で内容を再確認できるようにすることで、理解の定着を図るとともに、医療機関への信頼関係の向上につながります。

対等な立場で話す

医療現場では構造上、どうしても上下関係が生まれやすく、院長という立場であればなおさら、患者が遠慮してしまうこともあります。

しかし、医師と患者の関係は上下ではなく、治療をともに進める協働関係です。患者の発言を尊重し、質問や不安を受け止める姿勢を示すことで、信頼と安心感を得られます。こうした対等な対話が、治療の質を高める土台となります。

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医師のスタッフに対する注意点

スタッフとの関係では、日常的なコミュニケーションが医療の安全性を支えます。

とはいえ、診療や経営に追われる中で、スタッフと理想的な関わり方ができないと感じる場面もあるでしょう。忙しい中でも、以下の3つを意識するだけで、現場の雰囲気に良い変化が期待できます。

  • なるべくコミュニケーションを
  • ホウレンソウを徹底する
  • 些細なことでも感謝を伝える

1つずつ解説します。

なるべくコミュニケーションを取る

多忙な医師ほど、意識的にスタッフとの対話時間を確保することが重要です。日々の業務報告や雑談、定期的なミーティングなどを通じて信頼関係を築くことで、意見交換が活発になり、職場の雰囲気も改善します。

朝のあいさつ時の一言や帰り際の声かけなど、短時間でも意識的に関わることが大切です。

ホウレンソウを徹底する

「報告・連絡・相談(ホウレンソウ)」は、医療現場の基本です。医師が率先して情報共有の重要性を示すことで、スタッフも自然と意識を高めます。小さな報告でも歓迎する姿勢を持つことで、トラブルを未然に防げます。

些細なことでも感謝を伝える

医療現場では、つい忙しさの中で感謝の言葉を忘れがちです。医師が「ありがとう」と声をかけるだけで、スタッフのモチベーションは大きく変わります。感謝を言葉にする文化を根づかせることが、チームの結束力を高めます。

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医療現場のコミュニケーションに関するよくある質問

医療現場のコミュニケーションに関するよくある質問は以下の2つです。

  • 医療におけるコミュニケーションエラーとは何ですか?
  • 医療現場でのコミュニケーションで大切なことは何ですか?

1つずつ回答します。

医療におけるコミュニケーションエラーとは何ですか?

医療におけるコミュニケーションエラーとは、医師・スタッフ・患者の間で情報が正しく伝わらないことにより、誤診や医療ミス、トラブルが発生する状況を指します。

口頭での伝達ミス、記録の不備、確認不足などが主な原因です。医師としては、記録の徹底と相互確認を怠らず、情報共有の精度を高めることが求められます。

医療現場でのコミュニケーションで大切なことは何ですか?

医療現場で最も重要なのは、聞く力と簡潔な情報伝達力です。患者に対しては、相手の訴えを丁寧に聞き取り、不安や疑問をくみ取る姿勢が信頼につながります。

スタッフに対しては、複雑な指示を明確かつ短く伝えることが不可欠です。聞く力と伝える力の両方を意識することで、誤解を防ぎ、チーム全体の連携が強化されます。

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まとめ

この記事では、医療現場のコミュニケーションの重要性について解説しました。スタッフ・患者との双方向の対話は、医療の安全性と満足度を高め、離職やミスを防ぐ上で重要です。

心理的安全性を整え、情報共有を整え、情報共有を仕組み化し、振り返りとフィードバックを習慣化して、今日から改善を始めてみてはいかがでしょうか。

     ◇ ◇ ◇

今回取り上げた医療現場のコミュニケーションをはじめ、人材や組織に関する課題を抱えている場合は、1人で悩まず、専門家の力を借りることも選択肢の一つです。

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<執筆者プロフィール>
クリニック未来ラボ編集部
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